フランス語超入門シリーズをはじめます。
「超入門」と銘打っているので、入門よりも簡単なとってもライトな内容にしようと思っています。
ですので、これを読んだからフランス語が話せるとかフランス語が読めるとか、そうなれるわけではありません。あくまで、門に入る手前の階段が、ゆるいスロープになればいい、くらいの目的で書き進めていきます。
「超入門」なので、いままで全くフランス語をやったことがなくて今からはじめようとしてる人だけが対象のようにも思えますが、そういう人だけに向けて書くわけではありません。昔すこしやったけどほとんど忘れてしまって、また再開したいという人や、今絶賛べんきょう中だけれど、わかってるようなわかっていないような気がして、もっとフランス語をより基礎から理解したいという人にもオススメです。
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みなさんはどのような理由でフランス語を学ぶのでしょうか。
小さい頃から学んでいたなんて人は、ほんとにごく小数の特別な学校に通っていた人だけだと思います。今でもフランス語検定の会場になる暁星高校なんかは、小中高の一貫校で、小学校からフランス語をやります。かなりの名門で、有名なフランス文学者を多数輩出しています。
しかし、大半の人はそのような学校には通わないですし、大学で学びはじめるのが通常ではないでしょうか。大学には第二外国語という制度があるため、大学に通っていれば、多くの人がほとんど強制で学ばされるでしょう(英語一強時代の昨今、理系のほとんど、さらには文系の一部でも、必修でない場合が多いようですが)。 他には、フランス料理の専門学校に行く人とか、ワーキングホリデーでフランスに行きたい人とか、仕事の関係で必要になった人とか。ここまで挙げたどれも、高校を出た後の話です。
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つまり、大半のフランス語を学ぶ人は、ある程度大人になってからはじめるわけです。
子どもが学習するときは、子どもなりの特権がありますが、大人が学習するときには、大人なりの特権があります。子どもは、概して耳がよく、聞き取りや発音の点では、大人より一歩先んじていることが多いです。
ですが大人は、知識や経験、そこから導かれる論理的思考という、特別な能力を持っています。これに偏りすぎてもだめなのですが、ある有名なことわざ?名言?があります。知っている方も多いかもしれませんが、‘Younger is further, older is faster. ‘というものです。若いほうがより遠くに行ける、つまり、最終的な到達点はよりうまくなる。しかし、大人の方が、ある一定の到達点に行くにはより速く行けるということです。
わたしは、これを可能にする理由が、大人の知識や経験だと考えています。
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「超入門」シリーズは、faster を実現するための、エンジンというのか、アクセルペダルというのか、そういう感じのものです。ここでの話をいつでも頭に入れておくことで、フランス語学習がより効率的に進められるという、確固たる知識になるものです。
ですので、キソ中のキソとも言えるわけです。建物は、基礎がなければ、倒壊してしまいます。「超入門」は別に無くても、倒壊はしませんが、このキソがあれば、その上に安定した知識が着実に積み重なっていく。そうすることで、不安定な積み木をする人よりは、何倍も速く一定のレベルに到達できます。
建物のキソは一番はじめにしか造ることができませんが、ここでのキソはいつでも組み直せます。ですので、今から学びはじめる人だけでなく、現在学習中の方が、振り返っても役に立つものだと思います。また、一度読んだ後でも、もう一度読み直すことで、さらなる基礎固めができるはずです。
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[第1講義は「おと」についてです。]