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2025
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今日は固有名詞が由来になった単語
champage, cognac : シャンパンとコニャックである。私はあまりお酒を飲まないから分からないけど、シャンパンはお祝いごとで飲まれるスパークリングワインで、コニャックはワインから造られた蒸留酒である。あまり意識しないと気づかないが実はどちらも地名から来ている。シャンパンという名称はフランスのシャンパーニュ地方から来ている。かつてはシャンパーニュという行政区画があったが、現在はさらに大きな行政区画の一部となっている。ちなみに、フランス語で「田舎」を意味しパンの名前にもなっているcampagneは、champagneと語源が同じ。コニャックはフランスの西海岸にある地方を指す。ワイン造りで有名であったが、同じくワインの産地であったボルドーとの競争に負け、仕方なく遠くオランダまで輸出する必要が出てきた。遠方への輸送コストを減らすために、水分を蒸発させた結果、アルコール度数の高いコニャックができた。英語圏ではブランデーといい、これは「焼いたワイン」を意味するオランダ語から来ている。フランス語では、eau-de-vieと言って、文字通りには「いのちの水」である。
chantilly : 生クリームを意味する単語。発音は[ʃɑ̃tiji]([ji]はや行を無理やりい段で発音する音)。パリのカフェでcafé viennoisというのがあったから内容を知らずに頼んだら、“Avec Chantilly ?” と聞かれたので、適当に”Oui”と答えた。しばらく待つと、ホイップクリームの乗っかったコーヒーが出てきた。いわゆるウィンナーコーヒーである。ウィンナーコーヒーのウィンナーは「ウィーンの」を意味するらしく、viennoisはやはり「ウィーンの」であって、café viennoisは「ウィーンのコーヒー」である。そして、chantillyに戻ると、これもやはり地名から来ている。フランス語にyで終わる一般名詞はあまりなく、こういう場合はたいがい固有名詞である。地名といってもこれはChantilly城という城の名前から来ている。ホイップクリーム自体はイタリアで発明されたが、17世紀フランスのパティシエ、フランソワ・ヴァテールがChantilly城で働いていた際に、ホイップクリームを使ったスイーツで評判となり、彼の働いている城の名前が代名詞的にそのままクリームの名前になった。
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今日は歩くシリーズ
marcher : いちばん一般的な歩くを意味する動詞。つまり、英語で言えばwalkである。これ以上特にコメントはないが、派生語が多いのが特徴。rをとって、marcheとすれば、階段の意味になる。階段でも、段数が短く、少し高いところに上がるためのものを指すことが多い。この意味で使うときはmarchesと複数形になる。過去分詞のmarchéとすれば、いわゆるフランスのマルシェである。いわゆると言ったって知らない人も多いだろうから簡単に言うべきか。週に一回とか月に一回とかで開かれ、広い通りや広場に店が立ち並び、野菜やら果物やら肉やら魚やらが売り出される露店市である。日本でマルシェというと、ちょっとオシャレな屋台ご飯やお菓子屋さんなどがある、お祭りみたいなものだが、フランスではもっと日常的というか、もちろんお祭り的なコンセプトのものもあるけど、基本的に日用の食材がメインである。つまり完全な対応物は存在しないと言っていい。文化の違いである。marcher sur〜という感じで、間接他動詞のように使うと、~を踏むという意味にもなる。
se promener : 散歩をするという意味の代名動詞。promenrだけで他動詞的に使うと散歩をさせるという意味で、例えばpromener son chienとして、犬を散歩させる、つまり犬を散歩するという意味になる。ようは、se promenerは自分を散歩させるということ。構成要素を見てみると、pro+menerで、前へ運ぶという意味である。歩くだけでなく、se promener en voitureといえば、ドライブの意味になる。名詞はpromenadeで、日本語でもプロムナードと言うと、なんだか聞いたことのある響きである。都市に整備された歩行者用の小道とか海浜通りとかにオシャレをてらってつけられていることが多い気がする。
se balader : ブラブラするという意味。balladeというと、日本語のバラードのもとだけれど、フランス語にそういう意味はなく、本来は詩の一形式を言う。balladeをうたっていた昔の吟遊詩人たちが各地を遍歴していたから、転じてブラブラするといういになったらしい。balladeはlが2つだが、baladerはlが1つだから注意。ぶらぶらの名詞はbaladeでlが1つ。ややこしい。ちなみに舞踏会を意味するbalはどう語源で、もとをたどるとダンスという意味にいきつく。
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今日は食べるを意味する動詞シリーズ
manger : 最も基本的な食べるを意味する動詞。Nous mangeonsや半過去のje mangeaisのときは綴りに注意。日本語ではお昼を食べるというけど、フランス語ではmanger le déjeûnerとは言わなず、prendre le déjeûnerつまり、昼食を取るというのが普通。mangerのあとに来るのは、具体的な食べ物。
bouffer : mangerの俗語表現。つまり「喰う」である。友達の間では普通に使いますね。これを名詞化したbouffeは食べ物、というよりむしろ、「食い物」を意味する。
Tu as déjà bouffé à midi ?
もう昼メシ食った?(昼に何か食った?)
goûter : ちょこっと食べるという感じ。味見をするとか、試食をするというのが基本的な使い方。複合過去で使われると、特定の料理とか食材を食べたことがあるという、経験の意味にもなる。
La Française n’avait jamais goûté le wasabi. C’était tellement piquant qu’elle en a pleuré.
......そのフランス人女性はワサビを食べたことが無かった。あまりに辛すぎて、彼女は泣いてしまった。
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gecko : ヤモリ triton : イモリ
道を這うヤモリを見てふとヤモリはフランス語でなんというのか気になった。発音は例外的に[gɛkɔ]。ゲコですね。下戸ですね。酒が飲めないんですね。多くのブラウザが採用するhtmlレンダリングエンジンがなぜかgeckoという。
例文
J’ai cru voir un triton, mais en réalite c’était un gecko.
イモリを見たと思ったんだけど、実際はヤモリだった。
étreinte : 抱擁
英語にembrace(抱擁する)があるけど、フランス語のembrasserは主にキスするの意味だから注意。em bras serだから、bras(腕)があるのがわかるが、やはり原義は抱擁で、古い時代はその意味がメインだった。さらに、キスを意味すると思いがちなbaiserはセックスの意味もあり、むしろその含意が強いから注意。étreinteは中性的な抱擁の意味で、動詞はétreindre。
feux tricolores : 信号機
feuxだけでも信号の意味。日本語はなぜか緑信号を青信号と言うが、フランス語では素直にfeu vert,緑信号である。tricoloresはtri coloresで、三 色である。フランスの国旗は、drapeau tricolore.あるいは、bleu blanc rougeとも言う。青白赤である。
Les français, ils grillent les feux tricolores tout le temps !
......フランス人は信号をいっつも守らないね!
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これは、Tailwindcssで文字にグラデーションをつける方法を、わたしが覚えるためにただメモしただけのもの。
グラデーションの基本
- bg-gradient-to-方向(r,l,b,t,tr,tl,br,bl)
- from
- via-色(任意)
- to-色
以上の3つor4つを書けば、背景にグラデーションがつけられる。
例
<div class="h-10 w-full bg-gradient-to-r from-teal-700 via-sky-500 to-teal-300" ></div>bg-clip-text
背景の例を応用して、“text-gradient-…“としたいところだが、これは上手くいかない。tailwindにそのようなクラスは定義されていない。そこで、“bg-clip-text“を使う。
“bg-clip-text“は、背景を文字の形にするクラス。試しにピンク色の背景にこれを適用。このままでは、文字の色もそのままなので、“text-transparent```で文字を透明にして背景を見せる。
<div class="h-10 w-full bg-gradient-to-r from-teal-700 via-sky-500 to-teal-300 bg-clip-text text-center text-transparent" >テストテストテスト</div>テストテストテスト文字にグラデーションをつける
上記2つを組み合わせれば、グラーデーション背景を文字の形にして、グラーデーションのついた文字を見かけ上つくることができる。
<div class="h-10 w-full bg-gradient-to-r from-teal-700 via-sky-500 to-teal-300 text-center bg-clip-text text-transparent" >テストテストテスト</div>テストテストテストテストテストテストいつもやり方だけググったりAIに聞いたりして、その場ですぐ導入するけど、仕組みを知って書き方も覚えると気持ちいい。思ったことをすぐその場でできる方が気分的にもいいし、時間的にも効率が良い。
...... - Updated
本屋に寄って、新潮文庫の並びを物色し、黒い背表紙の太宰の本がたくさんあって、そこに『津軽』という題名が見えた。
私は田舎出身の作家が自身の故郷について言及している文章が好物である。そこにその人の全てがあるような気がするというのか。やはり、幼少期から青年時代を長らく過ごした場所だから、その人の原点が集約されているのではないか、何か特殊な土着性が、その人の世の見方、ひいては、作品のあり方に影響してはいまいかと想像を巡らすのが楽しいからである。
別に当の作家にとってはそういうわけでもないかもしれない。単にわたし自身の問題かもしれない。わたしは東京の何の特徴もない、ただ人が住んでるだけみたいなところで育ったから、なんというのか誇るべき故郷の特殊性のようなものを持たない。ながい休みに、帰省しますと言って、遠い故郷へ帰っていく人たちへが、なんとくなくうらやましく見えるのに似ているのかもしれない。
*
ときは1944年、作者は出版社に津軽風土記を書かないかと依頼され、およそ3週間かけて津軽半島を一周し、そのときの調査をまとめた。これが、『津軽』である。
1944年と聞くと、世は未だ戦争のただ中で、そんなときにも作家は悠々と旅行ができたと考えると、奇妙な感じがする。むかし、大正から正和初期の作家たちは、どうやって戦争を切り抜けたのかと思って調べたことがある。たいてい、作家というのは体が虚弱で、兵役の身体検査に落ちることがよくある。また一部には、精神病をのふりをするものもあった。ふりをせずとも、どこかで作家はみんな鬱とかいう題名の本を見た気がするが、元来正気ならば作家などやろうと思わないのだから、ナチュラルに異常だと判断されたのかもしれない。
津軽出身の作家が他にいないかと調べてみると、寺山修司と葛西善蔵がいた。なんだか、津軽という場所が偉いところに思えてきた。そもそも、津軽とは青森のどのあたりを指すのだろうか。わたしは勝手に、青森の端っこのほんの小さい部分だと思っていたけれど、非常にざっくりと言えば、青森の左半分はすべて津軽地方だそうである。弘前市というのは聞いたことがあったが、これも津軽地方に含まれる。というより、津軽地方の第一都市である。
寺山と葛西が生まれたのはこの弘前市だが、太宰が生まれたのは金木という町である。*津軽平野のほぼ中央に位し、人口五、六千の、これという特徴もないが、どこやら都会ふうに気取った町*であるらしい。当時は都会ふうだったようだが、「オラこんな村いやだ」の吉幾三の出身地でもある。時代の波に遅れてしまって、20世紀も半ばを過ぎたときには、こんな村いやだとなるくらいには、何もない田舎になってしまったのだろう。
*
『津軽』は序文とそれに続く全五章の本編から成る。序文は津軽地方のことを知らない読者でも、土地の雰囲気や地方のあり方をおおまかにうかがい知ることのできる、親切な導入部である。そこでは、青森市、五所川原、弘前、金木、大鰐、浅虫といった、著者が青年時代までに過ごしたあるいは訪れたことのある町に関して、自身の思い出が語られている。読者はその思い出話から各町の位置関係や特徴をありありと思い浮かべることができる。
後に続く5章は、一様な内容ではない。基本は著者が出版社に頼まれた津軽風土記である。旅先での出来事が時系列で語られることを期待しても、そう綺麗に並んでいるわけではない。旅行案内や歴史書でもあたったのか、訪れた地の観光名所や歴史などが随所に挿入されたり。かと思ったら旅先の懐かしい知人とのユーモラスな話が始まったり。いつのまにか、重厚な文体で過去の事績の記述がはじまったりする。
新潮文庫の解説を書いている批評家の亀井勝一郎氏は、太宰の全作品の中で一つ挙げよと言われれば、この作品を挙げると述べている。そう言うのも無理はない。全体を通して伺えるのは、全盛期の作家の抑制された筆致である。
1940年代のこの時期太宰は非常に多作だった。短編として名高い『女生徒』『富嶽百景』『走れメロス』などは、この時期に書かれているし、作家としても挑戦的かつ意欲的な作業に取り掛かっていて、翻案物の『新ハムレット』や歴史長編小説『右大臣実朝』もやはり同じ時期である。一般に言われることだが、この時代、太宰は精神的に最も安定していた。戦後の暗澹たる雰囲気に溢れた作風とは異なり、つねにユーモラスと機知に溢れ、落ち着いた書きぶりで淡淡と物語が進んでいくのが、この時期に書かれた作品の特徴である。
『津軽』もやはりその系譜にある。
続く
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インストール
astro addの場合
- npmの場合
npx astro add sitemap- pnpmの場合
pnpm astro add sitemap通常インストールの場合(Manual Install)
- pnpm
pnpm add @astrojs/sitemap- nm
npm install @astrojs/sitemap導入してまずやること
astro addを使わなかった場合、astro.config.tsのintegrationsにsitemap()を追加。
astro-sitemapを使って、生成されたsitemap.xmlのリンクを、Google Search Consoleに送信しようとした。そしたら、そもそもsitemap.xmlが生成されていなかったことがわかった。問題は、
site:"URL"のsiteに自分のデプロイ先のドメインを書いていなかったことだった。つまりまず、astro-sitemapを導入したら、astro.config.tsのdefineConfig関数の設定を見る。そして、そこのsite変数にサイトのURLを書き、必要ならばintegrationsにsitemap()をいれなきゃいけない。インストール後に完了すべき設定は以下の通り。
export default defineConfig({ /*...他の設定*/ site: "URL" /*デプロイ先のURL*/, integrations: [ sitemap(), /*...他のプラグイン*/ ], /*他の設定*/ });生成されるのはsitemap.xmlじゃない
以上の設定をやって、https://your-domain/sitemap.xmlにアクセスしてもファイルが存在しない。通常は、ルートディレクトリにsitemap.xmlがあるはず。
問題は、ファイル名がsitemap.xmlじゃないことだった。astrojs/sitemapで生成されるのは、sitemap-index.xmlとsitemap-0.xmlの二つ。サイトが大きいと、sitemap-1.xml…sitemap-n.xmlと言うふうにインデックスがついて複数作られる。
Google Search Consoleにサイトマップを送りたい場合は、基本的にsitemap-index.xmlを送ればよい。indexファイルにはすべてのsitemap-〇.xmlのリンクが書かれるから、クローラーがそれを認識し自動で走査を始める。そもそも、indexとその子ファイルという形式は、グーグルクローラーが推奨する形式らしい。
まとめ
- astro.config.tsにsiteのURLを書くのを忘れない
- サイトマップのxmlのファイル名は、sitemap-index.xml
以上がつまった部分。
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基本パターンは3種類
前回は不吉な計算をして、7000個くらい動詞変化を覚えなきゃいけないとおどかしましたね。ただ結局は500個くらいに成るという結論でした。
動詞の変化のパターンは80種類くらいあるといいましたが、大きな分類では3つになります。一覧にしてみましょう。
- 第1群規則動詞(-er動詞)
- 第2群規則動詞(-ir動詞)
- 第3群動詞(不規則動詞)
正直に言うと、非常に雑な分類ですね。第1群と第2群と、、それ以外全部!ッて感じです。学習の順番は1群と2群を覚えた後に、不規則な第3群を個別にコツコツと覚えていく流れになります。
語幹が大事
英語の過去形を思い出すと、ほとんどの動詞は動詞の原形にedをつけるんでしたね。この考え方は非常に重要で、大元があってそこにちょびっと何かをつけるというのが動詞変化の基本です。
ここでいう大元を語幹といいます。(語感ではありません。変換機能が邪魔をします)つまり、ことばの幹です。ゆるぎない、動かない部分です。
1群と2群の大きな特徴は、語幹がどの時制どの法どの人称でもほとんど変わらないことです。つまりまずは語幹を覚えるのが大事。
語尾を覚えよう
語幹を覚えたら、次は語尾です。英語の例であげたedにあたるものですね。木の幹にちょこっと枝をつけるだけです。ただ、この語尾、たくさんあるので大変です…。英語はわたしが言おうが、あなたが言おうが、彼が言おうが、ずっとedをつければよかったのですが、フランス語は、誰が言うかで語尾が変わるのです。
人称代名詞はまだちゃんとみたことがなかったですね。以下に一覧で挙げておきましょう。
日本語 フランス語 わたし je あなた tu 彼・彼女 il, elle わたしたち nous あなた(丁寧or複数) vous 彼ら・彼女ら ils, elles いくつかの注意点を。vousに丁寧とありますが、英語のyouと違い、フランス語は親しい相手に使うあなた(tu)と知らいないあるいは目上の人につかうあなた(vous)を区別します。これが、日本語でいう尊敬語や丁寧語の機能を一種担うわけです。インドヨーロッパ言語ではふつうのことで、英語もかつてはそうでしたが、いまはすべてyouになってしまっています。
朗報 90%は第1群規則動詞
朗報です!
フランス語動詞の90%は第1群規則動詞!
どんな文法書も-erで終わる動詞の変化はさいしょのさいしょの方に書かれています。それくらい重要だからです。これを完璧にすれば90%をマスターできるなんて。急がば廻れ。ゆっくり覚えましょう。ここで、aimer(愛する)、manger(食べる)、regarder(見るwatchの方)の直接法現在形の人称変化表を挙げておきます。
aimer manger regarder aime mange regarde aimes manges regardes aime mange regarde aimons mangeons regardons aimez mangez regardez aiment mangent regardent 第2群規則動詞も簡単
finir, choisir, réussir
Bad News 使用頻度上位の動詞ほど不規則
喜びもつかの間、暗雲立ち込める。
-er動詞と-ir規則動詞で、全体の90%以上はカバーできます。しかし、ここには数字の罠が潜んでいる……。こむずかしくいえば、同様に確からしくないのです。例えば、爆発するとか、憤慨するとか、疾走するとか、そんな動詞が-er動詞だったとして、日常で使う頻度は少ない……。見るとか、持つとか、できるとか、日常でよく使う動詞は、軒並み不規則なのです。1群と2群を覚えるだけでは、やっぱり不十分です。
実際に見てみましょう
aimer, finir, dormir
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今日のA氏とのやり取り。
A 「長崎に行ってきたんで、お土産です」
わたし 「ありがとうございます」 モグリモグリ。
わたし 「結構、おいしいですね。なんか有名なやつですか」
A 「自分が食べたかったのをえらんだだけです。サンプルで、決めました」
わたし 「あ、サンプル食べて『おいしい』ってなって、えらんだ感じですか」
A 「え、サンプル食べるわけないでしょ。プラスチックですよ」
わたし 「あ、サンプルってそういう意味じゃなくて(笑)、なんていうんだ…。試食品だ」
A 「そういうことっすね。いや、プラスチックの食品サンプル見て、『おいしそうだなあ』ってなって、えらんだんです。それはそうと、試食品のこと、サンプルって言わなくないですか」
わたし 「まあ、たしかに?」
*
わたしの日本語感覚は結構ずれているから、たべものの「サンプル」と言って、どのくらいの人が実際に食べる試食品を思い浮かべるかはわからない。少なくとも、「食品サンプル」といえば、プラスチックが思い浮かぶが、「サンプル」と言われて試食品が思い浮かんだのなぜか……
英語の辞書でサンプルにあたるsampleをしらべてみる。そこには、
名
- 見本、標本、サンプル
- 試供品
- 略
- 略
動
- 試食する
- 略
- 略
という風に書かれていた。なるほど、名詞の2を見るとわかるが、試供品というイメージがあったのだ。道端で「サンプルお渡ししてまーす」とか展示会で「こちらサンプルです。お試しください」とかいうときは、実際に使える商品を渡す。
日用品のサンプルのイメージがあったから、たべものの「サンプル」といわれて、わたしは実際の物体、すなわち実際のたべものを思い浮かべたのだろう。
そして、動詞の意味を見て興味深かったのは、「試食する」という意味があること。現代語で日常的にどのくらい使うのかはわからないけれど、こちらはまさにたべもの自体を指し示している。
*
そうしてA氏が今度は、「sampleって、exampleと関係してますか?」と言うので、ODEで調べてみると、語源が同じようである。
sampleとexample。一見、違うように見えるが、xという文字を分解してみよう。
xは「エックス」と発音するように、本来[ks]という音価を持っている。これを仮想的にexampleに当てはめると、eksampleとなり、おやおや、あたまのekを取れば、sampleが現れるではないか。
実際に辞書には、sampleの語源はexampleの頭音消失と書いてある。
考えてみれば、どちらも、いくつもある物から一つを代表的に取り出したもの、という点で意味が共通している。抽象のレベルを挙げれば、ほとんど同じ意味を持つ類義語たちも、実際の用途においては、細分化された機能を持ち、それぞれが微妙なニュアンスを帯びる。
sampleとexampleの違いをあえて分析するならば、sampleは実際に手に取れるような具体的な物を指し、exampleは観念的あるいは言語的な実体を指すという点であろう。
sampleは非常に実際的な物質性を帯びており、手にとって見せることができるようなものである。一方、exampleは、頭の中に思い浮かべたり、口に出して言ってみたりするもので、手に取って見せられる必要はない。統計の分野では「サンプル」という言葉が使われるけれども、実際に存在する集団から具体的な個物を取り出す操作が、手触りを持った具体性を要請してこちらの言葉が選ばれるのだろう。
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英語に「三単現のs」というものがあったのを覚えているでしょうか。
「三単現」というのは、「三人称」・「単数」・「現在」の頭文字を取ってくっつけたものです。主語が「三人称」かつ「単数」で、動詞が「現在」のときに、動詞にsがつくんでしたね。
三人称というのは、主語の種類を指しています。一人称が「わたし」、二人称が「あなた」、三人称は「それ以外」です。したがって、「彼」とか「彼女」とか「それ」とかのことです。「単数」は、一人ということです。「彼ら・彼女ら・それら」ではなく、「彼・彼女・それ」のことです。
現在というのは、今のことを話すときに使う動詞の基本形でしたね。しかし、過去のことを話すには過去形を使い、今進行中のことを話すには現在進行形を使いました。
3つの条件は、それぞれ「一人称・二人称・三人称」、「単数・複数」、「現在形・過去形・現在完了形…etc」という、複数の組み合わせがあります。つまり、英語では「三単現」のときだけ、動詞にsという語尾をつければよかったのです。
実はフランス語では、この3つの条件のすべての組み合わせで、それぞれに特別な語尾をくっつけなければいけません。「三・単・現」にも特別な語尾が必要ですし、「一・単・現」にも特別な語尾が必要ですし、「二・複・過(過去)」にも特別な語尾が必要です。
絶望的暗記
3つの条件を一覧にすると以下のような感じになります。
- 人称
- 数
- 時制(+法)
さて、ちょっとした算数をやってみましょう。
「人称」は「一人称・二人称・三人称」の3つ。「数」は「単数」と「複数」の2つ。「時制」は、「現在・半過去・複合過去・大過去・単純未来・前未来・条件法現在・条件法過去・単純過去・前過去・接続法現在・接続法半過去・接続法過去・接続法大過去」の14個!?。
3×2×14で、84。んんん?、一つの動詞の変化形が84個。さらに、動詞変化のパターンは、規則動詞が2種類、不規則動詞は、約80。計算を簡単にするために80としましょう。
84×82=約7000。あれあれ?、約7000個の変化を覚えなきゃいけない?。待て待て、単語7000個覚えるのだって大変なのに、それに加えて動詞の変化形を7000個覚えなきゃいけないだって!!!
絶望。やめたくなった。よしやめよう。
待て待て待て。人間が話す言葉なんだから、そんなに覚える必要があるわけない。フランス人が、日本人より記憶力に優れているなんてことは、ないない。
少し計算のずるをしました。上で挙げた14の時制のうちいくつかは古風で現在は使わず、そのうちのいくつかは、英語の現在完了のように「have」+「過去分詞」のような形になるので、実質的に「have」の変化と「過去分詞」を覚えれば大丈夫です。
細かい話しをすると脱線してしまうので、ざっくりいうと時制は4つに減ります。ですので、最終的な計算は、
3×2×4×82=約2000。うむ、全然減ってないではないか(●`ε´●)
実はもっと減ります。82パターンとはいいましたが、そのうちのいくつかはほとんど似通っていて、微妙なマイナーチェンジがあるだけです。もうわ私の感覚ですが、だいたい20パターンとしておきましょう。2000が4分の1になって、500!。だんだん太刀打ちできそうな数字になってきました(いやまだ多いだろ)。
今回あつかうのは3つの条件のうち、1の「人称」と、2の「数」です。3の「時制」はまた次回にまわします。このあとの語感や語尾の話を踏まえると、実は500がもっと減っていきます。
だらだら書いていたら長くなったので、続きは次の記事にします。
[続く]
...... -
わたしが小さかった頃は、「蚊に刺された」を「カニに刺された」と言って、親にツッコまれることがよくあった。今、「かにさされた」を変換しようとして「蟹刺された」が予測変換にでてきたのも面白い。
今朝、テレビでニュースを見ていたら、蚊の特集がやっていた。蚊も夏バテをするらしい。夏バテというと、なんだか軽い感じがするけれど、ようは暑さの度が過ぎて、身体が危険信号を発するのである。
蚊の夏バテくらいになると、もはや生命活動の危険信号らしい。テレビでは、35度の小箱に蚊を何匹も入れて、手を突っ込むという実験をしていたが、手を突っ込んだ人は全く刺されていなかった。暑すぎると蚊も食欲をなくして、血を吸わなくなるらしい。そして、一部の個体は死んでしまった。暑すぎると蚊は死ぬようである。
ちかごろ、真夏になると蚊に刺されないということを感じていたのだが、やはりそうだったのかと合点がいった。暑すぎてもはや蚊の活動する気温ではなかったのだと。
反対に、夏のはじめとおわり、つまり春のおわりと秋のはじめは、蚊にさされてかゆい思いをすることが多いと実感していた。やはり、蚊も人間と同じで、春と秋の丁度いい陽気を好むのだろう。
地球がすっかり熱くなって、春と秋が消え始めているけれども、人間にっとても蚊にとっても生きづらい世の中になって困りますねえ。
カニに刺された
さて、「カニに刺された」の話にもどる。ある程度の大きさのカニに刺されたら、死にそうである。
それはそうと、どうして、「蚊に」を「カニに」といいたくなるのか。ひとつは、名詞の「か」と助詞の「に」が連続して、音が「かに」になって、「かに」と言い始めたはいいが、途中でなんだか「かに」が一つの名詞のように思え、名詞がきたんだからあとには助詞が来ずには収まりが悪く、「に」をつけてしまうのだろう。
そして、もうひとつは、「か」という名詞が一音であるせいで、なんだかいいたりないからもう一つ音をつけてしまうというのが原因だろう。
一拍名詞
やっと本題に入ったようだ。一拍名詞の話をしたかったのだ。「か」のように文字が一つ(正確にはモーラが一拍)の名詞を一拍名詞という。なんのことはない文字通りである。
五十音を「あ」から順番に言ってみれば、一つの音だけで出来ている名詞が総ざらいできる。いくつか例をあげれば、「胃」「絵」「木」「毛」「酢」「血」「手」「歯」「火」、、、。馴染みが薄いものだと、「唖」「鵜」 津」「麩」「帆」、、。などなど。
ある人が言うには、古語には一拍名詞が多いらしい。ほんとかなあ、とは思うのだけれど、古語辞典を開くと、今では通じないような一拍名詞がいくつか見つかる。
たとえば、「あ」は足の意味にもなれば、「わたし」という一人称にもなった。これは、平安時代よりも前の時代(上代)が主らしい。たしかに、一人称の意味で「わ」といっている東北の方言を聞いたことがある。
古語辞典をパラパラめくってみたが、あまりいい例が見つからない。もちろん一拍名詞はあるけれど、今でも通じるようなものが多く面白くない。おそらく、今も昔も一拍名詞はそれなりにあるのだろう。
一拍名詞は言い足りない
一拍名詞はなんだか言い足りないということを言った。さきほど例を挙げた中に、「酢」があったが、これは個人的に少し言いづらい。頭に「お」を付けて、「お酢」といったほうが言いやすい。また「麩」も単独では言いづらい。これもやはり「お麩」といったほうが言いやすい。
[目」に対して「おめめ」という言葉があるけれど、これはなんで「め」が二回出てくるのか…わからない。「おめ」だと言った感じがしない。まさか、「カニに」タイプのやつか!足りないからもう一個言いたくなったのか!実際のところはわからない。
「お」をつける例が出てきたが、他の言葉をつけるものもある。「扉(とびら)」というのは分解してみれば、「戸」+「びら」で、「戸」だけでドアの意味なのだが、うしろにあるのは「ひらひら」とか「びらびら」とかいう擬態語と同じやつで、ようはバタバタ動く「戸」である。というのは適当で、「びら」の意味は正確にはわかっていない。日本国語大辞典を見ると、『古事記』に「トヒラ」というのが既に出てくるらしいが、語源説もいくつ書かれており、「ひら」は平たいの意味という説もある。
例に挙げた馴染みのない「唖」や「鵜」や「帆」も、単体で使われるよりは、他の単語と一緒になって使われるのが普通で、「聾唖」、「鵜飼い」、「帆船」という方が、耳馴染みがある。
何かにくっつけて使われるという点では、「露出形」と「被覆形」という話があって、たとえば「手」は「て」と読むけれど、「手綱」のときは「た」「づな」とよんで、「た」になる。「て」の方を「露出形」、「た」のほうを「被覆形」と言って、簡単に言えば「そのまま使う形」と「何かと一緒のときに使う形」なのだけれど、一種の屈折語の格変化のように見る向きもある。
終
...... -
フランス語の語順はSVOです。
これ以上あまり言うことも無いのですが…
せっかくなので、他の言語と比較してみましょう。
日本語の語順は何でしょうか。SOVですね。
そもそも主語があまり出てこない日本語ではOVで事足りることも多く、わたしたちにとっては、母語であるのでその語順に気を配ることも少なく、普段はあまり意識しません。
ドイツ語なんかは、その実SOVであるとも言われます。主文だけはSVOなのですが、副次的要素は基本的にSOVです。わたしも少しだけドイツ語を勉強しますが、日本語と同じでやりやすいはずだと思いきや、ラテン文字で書かれている言葉は全部SVOだろうと、脳みその髄の髄までインプットされているため、逆にやりにくいです。
さて、繰り返しますが、フランス語の語順はSVO ! SVO !です。よかったですね。英語となんらかわりありません。
例外ー「ジュテーム」と「ジュレーム」
が、ときどきSOVになるので、注意です。
みなさんも、「ジュテーム」というフランス語が「あなたが好き」を意味することはご存知かもしれません。これは実は、SOVという語順になっています。
英語の対応物を逐語的に当てはめると、I you Loveとなります。
この語順になるのは、本当に一部の状況だけです。本当に一部の状況だけなのですが、出現頻度は割と多いため、総合的に考えればそれなりに重要です。
しかし、改めて言っておきますが、フランス語はSVO ! SVO ! それほど気にする必要はありませんが、少しだけ注意してねくらいのことです。
どういう状況でSOVになるかというと、目的語が代名詞のときです。「ジュテーム」の場合、「あなた」という代名詞が使われるため、SOVの順番になります。
あとは、「ジュレーム」という洗剤だか柔軟剤だかのブランドを知っているでしょうか(追記:シャンプーでした)。知らなくても大丈夫ですが、ほとんど「ジュテーム」と同じですね。これは英語に対応させると、I it Loveです。ここでも、「それ」という代名詞が使われるので、SOVの順番になります。
ただ、やっぱりフランス語はSVO ! 目的語が代名詞でない、普通の名詞であれば、SVOです。語順に関しては、英語とほぼ同じと覚えておきましょう。
...... -
首相の辞任表明のニュースがやっていた。
テレビの長方形の画面の左上に、「石破おろし」とあった。
「大根おろし」が頭に浮かんで、「石破おろし」とは何か新手の料理かと勘違いした…
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というのはでたらめで、タイトルの「石破おろしと大根おろし」は単なるダジャレ。だけれど、あながち嘘でもなくて、「石破おろし」という文字列を見て、大根おろしの映像が0.2秒くらいよぎったのは事実。
きっかけはくだらないけれど、「大根おろし」という言葉を今一度考え直すと、なぜ「おろし」という言葉が使われているのか気になった。
よく考えてみると、「下ろす」という言葉から来ているんだろう。
こういう基本的な語彙は、色々な意味で用いられて面白い。逆に言えば、外国語学習を難しくする原因でもある。が、母語であれば簡単に同じ単語を色々な意味で使いこなせるから不思議である。むしろ日本語を使いこなして、外国人を翻弄してやろう。
「下ろす」はつまり、何か物を下方へ移動させる意味の動詞で、「おろし」はその連用形である。
大きめの国語辞典をひらけば、何か書いてあるんだろうけれど、手元にないから想像する。「おろす」をもう少し丁寧にいうと、「擦り下ろす」ということになるだろう。本義はむしろ消去された「擦る」のほうで、物を何か別のざらついた物体に接触させ前後に動かすあの動作である。
適当なサイズに切った大根を、おろし金の上に付けてスリスリすれば、そぼろ状というのか、繊維と水分が絶妙に混じり合ったあの物体、「大根おろし」ができあがる。擦って、下に落ちるから、擦り下ろすというのだろう。人参を擦った「おろし」を「紅葉おろし」というけれど、なんとも洒落た言葉である。どっかのハンバーグ屋で紅葉おろしとぽんずが出てきたけど、あれはうまかったなあ。
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中西進に『ひらがなで読めばわかる日本語』という本があるけれど、これは漢字で書かれた言葉をひらがなにしてみると、その意味の本質がよくわかるという趣旨のもの。今回はある意味反対で、「おろし」を漢字にして「下ろし」とすると、元の意味がわかってくる。
これが起こる理由は、まず多義語があって、漢字によってその意味をかき分けていることにある。漢字によるかき分けは便利だけれど、もとの言葉が実は同じであることを隠してしまう作用もある。
「おろす」というのもやはり多義語である。
あまりよくない意味だけれど、「おろすの?」「おろしたの?」という風に、主語や目的語無しで使われると、堕胎を表すこともある。この用法は平安時代からあるらしい。
「卸」と書けば、急に商業の匂いがしてくる。本来は棚に閉まってあったものを、使うために下におろす「棚卸し」から来ているのだろう。つまり「棚下ろし」と書いたほうがもとの意味はわかりやすい。似た使い方に、靴や服を「おろす」というものがある。これは新しい衣類を使い始める際に使われるが、やはり、閉まってあった場所から下におろすというのが原義である。
「颪」という見慣れない漢字は「おろし」と読む。これは山から「吹き下ろす」風を言う。つまり、「吹く」という要素がなくなって、「おろし」になっている。これは、「擦り下ろす」から「おろす」に変わる場合と似ている。だいたいは「〇〇おろし」と言って、〇〇の部分に山や山脈の名前が来る。原理はよくわからないけれど、大きな山を下る冬の冷たい強風である。「赤城おろし」というのを聞いたことがあるが、群馬にある赤城山塊から吹き下ろす冷たい風のことである。
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元に戻って、「石破おろし」だが、これは何のことはない、高いところから下ろすということ。物理的な意味ではなく、比喩的に社会的な地位の高低移動に転用されている。古語辞典を引いても「おろす」の項には、「退位させる」という意味があり、今回の用例はこれが近い。
終
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単なる備忘録と、あたまの整理のために。
忍者Admaxという広告サービスを使って、試しにブログに広告をつけようとしたら、だいぶつまずいて、ほとんど休日一日を費やしてしまった。
忍者Admaxは、アカウント登録して、広告枠を作って、あとはコードをコピーして、自分のソースファイルに貼るだけ。手順がとてもシンプルで、使いやすく、審査は一応あるものの、おそらくかなり緩い。サイトによれば、最短5分、私の場合は1時間弱だったかな。
たぶん、昔からあるサービスで、最近のモダンなフレームワ―クとは噛み合わないこともあるよう。わたしはAstroでこのサイトを作っているが、これら2つの相性が悪く手こずった。
大きな問題点は以下の2つ。
- cdnでスクリプトを読む必要がある点
- スクリプトに document.write() が使われている点。
cdnとは
わたしは完全に趣味でやっているから、知らないことを永遠に調べながらプログラミングをやっている。cdnというのもここ最近よく目にして、なんとなくこういうものか、とわかってきたところ。
と思って調べると、定義を知ってもよくわからない。cdnはContent Delivery Networkの略で、あえて訳せばコンテンツ輸送ネットワークといった感じか。簡単にいうと、データを一箇所ではなく、コピーを作って分散したいくつもの場所に保管して、リクエストがあるたびに、効率的に転送できるようにしたネットワークという感じ。
客観的定義を聞いても何かよくわかった感じは特にしない。
特にweb系のプログラミングでは、画像とか動画とか、まとまったコードやモジュールとかを、html要素のsrcでこちらに呼び込んで来るときに、「cdnを使って」というんだと思う。例としては以下のような感じ。
<img src="https://hogehoge/images/honya.png" > <style src="https://hagehage/styles/turupika.css>個人的には、外部ライブラリのDocsなんかを見ると、インストール方法の選択肢に、「cdnを使って」という文言とともに、
<script src="https://mogomogo/scripts/gerogero.js>というようなコードが載っているのをよく見る。たいがい、npmでインストールするけど。
忍者Admaxはcdnでスクリプトを読み込む
他の方法があるかは知らないが、基本的に忍者Admaxはcdnを通して、スクリプトを読み込む。まずアカウントを作る。「広告枠」というなぞのものを作れと言われる。広告はスマホ用とPC用、そして大きさが大中小などと、いくつか種類がある。「広告枠」は広告の種類を決め、使用目的などを入力すると、一つユニークなidとともに一つの看板が出来上がるといった感じ。それが終わると、以下のようなコードがコピーできる。
通常バージョン
<script src="https://adm.shinobi.jp/s/xxxx"></script>非同期バージョン
<div class="admax-ads" data-admax-id="xxxxx" style="display:inline-block;"></div> <script type="text/javascript">(admaxads = window.admaxads || []).push({admax_id: "xxxx",type: "banner"});</script> <script type="text/javascript" charset="utf-8" src="https://adm.shinobi.jp/st/t.js" async></script>一個目の通常バージョンはまさにcdnを使っている。非同期バージョンも最後の行でcdnを使っている。非同期バージョンの方が速いらしい。理由はよくわからない。ただ、通常バージョンのスクリプトの一部が、むき出しになっているっぽいから、一部処理を、クライアント側でさせておくのだろう。
一度目のつまずき。広告出ないじゃん。
何も考えずに、通常バージョンのコードをコピーして、astroコードにベタ張りしてみると、表示されない。まあ、大概あたらしいことをやるとこんなものだから、仕方ない。
とりあえず、コンテナで囲って、背景をつけて、視覚的に確認するが、やはり表示されない。
忍者Admaxのアカウントのダッシュボードを見ると、ステータスが「審査中」となっている。 そこをクリックすると、「サイトでの広告表示が確認できません」といった趣旨のことが書いてある。なるほど、やはりこちらのコードの問題かと考える。asyncつけたり、client:load つけたりしてみるが何も起きない。
あれこれ時間がたつうちに表示された。原因はよくわからない。通常審査中であっても、以下のようなバナーが出るはず。
しかし、それすら出なかったから、自分のせいかと思っていたら、時間が経ったら表示された。たぶん、審査の審査みたいな、更に手前の段階の審査が独自であるのかもしれない。
そして、しばらく経ったら、通常の広告も表示された。
ロードしないと表示されない
サイトを訪問した最初は表示されるのだけれど、そこからページ遷移をすると表示されない。どうやら、AstroのSPA的挙動と、スクリプトのcdnロードの相性が悪いらしい。
Astroは通常では、伝統的なルーティングを行う。つまり、a要素で別のリンクに飛べば、そのつどそのリンクにあるhtmlがサーバーから届いてブラウザに表示される。
しかし、“
“というコンポーネントを置いたページどうしは、クライアント側でルーティングが処理される。いちいち、サーバーからのフェッチと描画ロードがおこらないので、遷移が滑らかになる。 遷移という観点では、いわゆる「モダンな」ページを実現する上で、とってもいい機能である。しかし、クライアント側で滑らかに遷移が処理されることで、逆にページ遷移でロードが起こらないということに繋がる。
一方で、cdnを使ったスクリプトの読み込みは、ページの読み込みが起こらないと誘起されないようである。
つまり、“
“を使った滑らかな遷移(View Transitionというらしい)は、cdnローディングと相性が悪い。 data-astro-reload? data-astro-rerun? astro:page-load ?
途中でsvelteコンポーネントへ変更もしてみたりとかなり試行錯誤したけれど、結局astroにもどる。
ViewTransitionをうまく制御すれば、もしかしたら、ページ遷移に伴ってcdnローディングができるかもしれない。astroのDocsを読んで見るとそれっぽいのが3つ。
- data-astro-reload
- data-astro-rerun
astro:page-load
ここまで生成AIさんの助けを多分にもらっている。1つ目のdata-astro-reloadは、やつの提案。ただ、こやつ間違っとる!“
しかし当然ダメ。Docsを見ると、そもそも、data-astro-reloadは、a要素に使うもの。つまりcdnを読みたいページに、遷移する前のリンクにくっつける。ただ、ページ全部のaにdata-astro-reloadをつけるなんて写経はやりたくないから却下。
data-astro-rerun。ふむふむ、こいつも有望そうな見た目だ。Docsをざっくり見ていたらあった。ViewTransition(滑らか遷移モード)の時にscript要素につけると、通常は実効されないスクリプトが毎回実効されるらしい。
残念こいつもだめだった。外部cdnから読み込んだスクリプトは使えないとのこと。完全にインラインで書いたスクリプトは実効されるが、外部はだめ。死。
astro:page-load。これは、ViewTransitionモードで画面遷移が起こり、遷移が完全に終了したときに、documentが吐き出すイベントのよう。最終的にはこれを使うのがまあいいよう。ここでは割愛するけれど(ただどこかでそれを1テーマに書いたほうがよさそう)、このあともかなり四苦八苦した。astroのフロントマッタ―とscriptで変数を共有する方法なのだけれど、かなりつまずいた。とりあえずそれはまたこんど(memo: define vars vs カスタムコンポーネント)。忍者Admaxさんdocument.wrire()使ってる問題
かれこれあって、結局
astro:page-loadとhtmlのカスタムコンポーネントでいいところまではいけたが、コンソールを見ると謎のエラーが見える。そして、デプロイ後の画面を見ても、いままでなら初期ロードでは表示されていた広告さえも、表示されたかと思ったら、すぐに消えたりする。なんじゃこりゃ!
どうやら、コンソールを覗くと、document.write()とという関数がcdnスクリプトの中に入っているらしい。そして、document.write()というのは、htmlになんでも書き込めるヨという、お強いメソッドだから、ウイルス挿入のリスクが高い。ということで、基本は初期ロード時しか実効できないようになっているらしい。
頑張って、ViewTransitionイベントを捕まえて、cdnを読んでみたはいいものの、document.write()が実効出来ないせいで、結局広告は表示されない。撃沈。
Aiさんいわく、document.write()は現代ではあまり使われないとのこと。忍者Admaxさん、改善おねがいします!と言っても、モダンフレームワークを使う界隈と、忍者Admaxを使う界隈が一致してなさそうだから、需要もないかもしれん。
最終手段。ViewTransition消滅
ようは、ViewTransitionを切れば、毎回のページ遷移でロードが起きて、広告は表示される。すみません。読者のみなさんにとっては、表示されないほうが嬉しいのはわかっています。すみません。
大胆に切る。
Astrowindというテンプレをつかっているから、そもそも“
“がどこにあるのかわからん。全ページに適用されているんだから、レイアウト系のコンポーネントだろうと思ったら、あった。英語は弱いからあんまり読みたくないけれど、ちゃんとViewTransitionを切りたいなら、ここをコメントアウトしろというのがあったからコメントアウト。 滑らかな遷移というモダンフレームワークの利点を捨ててしまって、やはりほんの少しだけカクつくのだけど、いうてそこまで気になるもんでもないから。よしとする。
終
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